短評:アイの物語

私たちはみんな、フィクションから生まれた。


アイの物語 (角川文庫)アイの物語 (角川文庫)
山本 弘

角川グループパブリッシング 2009-03-25
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内容紹介/Amazonより
人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語

  • オムニバス形式で構成された中編小説。それぞれの短編は、単独で読んだならば、それなりの印象しか残らなかったかもしれないが、アイビスが語ることで、より強くインパクトを感じた。
  • 私はフィクションばかりを読んできた。「本当のこと」ではなく、「リアルに思えるストーリー」を重視している。事実じゃなくていい。説得力さえあれば。夢物語や絵空事に没頭する自分を、大人気なく思うこともある。それでも、私はフィクションの世界から離れられない。そんな私がこういう物語を読むと、もう励まされちゃって、ますます大人気なくなっちゃうね。
  • 物語の力を再考する一冊。詳しくは語るまい。読むべし。