めまい

11/1の夜、ふと右耳が「詰まった」様な気がした。
気圧差などで生じるアレである。
そこで、何の気なしに、鼻をつまんで鼻から息を出す動作「耳抜き」をした。
その途端である。世界がぐるんぐるん回り始めた。
じっと座っているはずなのに、振り回されているかのような感覚に陥る。ものすごく気分が悪い。
ジェームス・スチュアートの気持ちがよく分かる。


実は、初めてのことではない。
10年ほど前にも、起きたら天井が回っており、家族に病院へ運んでもらったことがある。投薬と数度の通院で快癒し、その後は長い間何ともなかった。
そして、先日(新潟で地震があった日)の朝、目が覚めたら天井が回っていた。
こりゃまずい。以前と同じだ。そう思い、ベッドから出たが、まともに歩けない。壁に背中をつけて立ち上がるが、そこから動くこともままならぬ。
家人に頼み、車で病院まで送ってもらおうかと思ったが、しばらくしたら嘘の様に平気になった。様子を見たが、大丈夫そうなので放っておくことにした。
ただ、念のために最近めまいで医者にかかっていた母から、「メリスロン」という薬を数錠もらっておいた。お守り程度の気休めのつもりである。


そんな経緯があったので、1日の夜も、しばらくすれば収まるだろうと高をくくっていた。
ところが、良くなるどころか酷くなる一方である。
家人はまだ帰宅していないし、飲み会だと言っていたから、例え帰って来ても車を出してもらうわけにも行くまい。仕方ない、このまま寝てしまえ。
そう思って床に入るが、今度は天井ばかりでなく、世界中が揺れている。船に乗っているかのようだ。
枕の上で頭を右に傾ぐ。そのまま右回転で頭だけが回り続ける。戻すために、左に動かす。すると、左向きにぐらぐらと移動する。動かさずにいよう、と思うが、何にせよぐるぐるは止まらない。
お守りにもらったメリスロンを飲もう、と起き上がり、動こうとするが、平衡が取れずに膝をついた。OTLを実践するとは……と思いつつも、そこから立ち上がれない。気分は益々悪くなる。猫が不安気に近くをうろうろする。
とうとう悪心に耐え切れず、トイレまで這って行って嘔吐した。不思議なもので、それでかなり楽になった。
薬を多目の水で飲み、床に入った。まだぐるぐるはしたが、それでも眠れた。お守りは効いたらしい。


翌日、耳鼻咽喉科で診察を受けた。
症状および聴覚検査の結果から、恐らく「メニエル病」だろうという診断を受ける。

メニエル病とは
メニエル病とは、「めまい」と「吐き気」の発作が繰り返し起こる病気です。一般的には「耳鳴り」や「難聴」をともないます。 発作は数分で治まることもあれば、数時間続くこともあります。また、長期間にわたって何度も発作を繰り返す人もいれば、一回かぎりの人もいます。30〜50歳代に多く、高齢者にあまりみられないのも特徴です。 発作を繰り返すと、耳鳴りが残ったり、難聴が進んだりすることもありますが、症状には個人差があります。 (日本医師会による定義・http://www.med.or.jp/forest/check/s_menu.html

まったくもって、とほほである。 ひとまずは、服薬しつつ回復を待つものとする。