四日間の奇跡
- 作者: 浅倉卓弥
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 文庫
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けなしたくて本を読むことはない。評価に値しなければ、読み止しでやめてしまう。読了したからには、何かしら読むところがあったのだ。
しかし、実際本書の評価は低い。すごく低い。
小川洋子の筆致と比するに、最適な表現は「プロとアマチュアの差」である。別の時期に読んでいたら、ここまでけなす気分にもならなかったかもしれないのだが、全くもって、タイミングが悪かったとしか言いようがない。
事実、これはアマチュアの筆によるものといっても過言ではない。第一回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作なのだ。プロデビュー一作目というのは、まだ真のプロフェッショナルとは言えないのかもしれない。だからと言って許しゃしませんが。
やる気がないので、内容はamazonのレビューから転載。
「挫折した音楽家の青年と脳に障害を負ったピアニストの少女との宿命的な出会い。そして山奥の診療所で遭遇する奇蹟-。癒しと再生のファンタジー。」
あっそう、という感じ。見よこのテンションの低さ。
もうね、むしゃくしゃして読んだ。最後にはどうでもよかった。どこがミステリなんだよ。いや、別にミステリじゃなくてもいいよ。面白ければ。面白くないんだよう。
登場人物や設定は別にさほど酷くない。だけど、平凡な脚本を最悪の演出で上演してるようなもんで、シノプシスがまあまあだからと言って全体が救われるっていうレベルじゃない。人物描写は類型的で陳腐。筋立ても好きになれない。何でそこでお涙頂戴に持って行こうとするかなあ。そして、何で超有名作品そっくりの仕掛けを使うかなあ。
文章もこれまた酷い。台詞で全てを説明しようとするので、見開き2ページびっちりカギ括弧の中だったりする。お喋りなキャラクタという設定だから許されるってもんじゃない。
「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラー……全ての賛辞が空しいばかり。こんなに褒めたのは誰だ。責任者出て来い。二作目も刊行されているがとても読む気にならない。★☆☆☆☆