サッカー見ながら薪を割る

土曜日に新婚の友人A夫妻宅を訪問した。言っておくが、ごく普通の都会の一隅である。
我々の実家のある町からも、別の友人Bが来訪したのだが、A夫人のご母堂から色々と物を預かっていた。
その中に「ネギを味噌で調味して春巻きの皮で巻いたもの」があった。添付の調理メモをBが読み上げた。
「薪を割り……を下にして焼く……」
薪!?どこにあるんだ、そんなもの!
と思い大きな声で驚くと、二人とも不審げにこちらの反応を見る。聞き直してみると、何のことはない。
「(春巻きの皮の)“巻き終わり”を下にして焼く」というだけのことだった。どっとはらい


メインイベントは、サッカーのサントリーチャンピオンシップなるものの鑑賞であった。
私はサッカーを嗜まない。しかし、A・Bは実に熱心な横浜Fマリノスファンである。集会に際し、赤い服厳禁と青い服推奨を言い渡されていた。(青いセーターがなかったので、仕方なく緑でお茶を濁した。)二人ともTVで応援しているというのにタオルは振るわ、何やら青い紙を掲げるわの大騒ぎ。A夫君と私はやや引き気味に、試合というよりはむしろ二人の狂乱振りを楽しんだ。
幸いにもマリノスは勝ち、私も少しはサッカーの知識が付いた。
ゴール横の広告は、TVカメラの位置からだけ立体に見えるように描かれた、平面のだまし絵だったのだ!広告業界のアイデア恐るべし……これはサッカーの知識じゃないか。