ドリームバスター2

ドリームバスター2

ドリームバスター2



先日読んだ第一作「ドリームバスター」の続編。
主人公シェンが自らと向き合う「目撃者」、異世界“テーラ”の様子が緻密に描かれ、そこに育ちつつある違和感の萌芽を垣間見せる「星の切れっ端」の二編で構成されている。そう、「2」で完結かと思いきや、このシリーズまーだ続くのである。
前作と異なり二回連載の中篇と書下ろしであるため、前作に感じたような「ばらつき」は少ないし、くどい説明もない。それだけに、主人公たちが携わるミッションだけでなく、物語の幹(テーラの謎・シェンの母親)に関しても大幅な進展を期待したのだが……率直なところ、ちょっとがっかりした。前回ほほうと思わされた謎は解き明かされぬまま、物語は進み、更に新たな展開を見せる。今度は「ほほう」とはならなかった。「またかよ!」と思った。つくづく辛抱のない読者である。前以て、長く続くシリーズと承知していれば、ここまでがっかりはしなかっただろう。まったく勝手なことである。
ブツブツ言いながらも今後の展開が気になるのは、やはり作者の筆力というものだろうか。「ドリームバスター3」も、きっと読んでしまうだろう。だって、アレとかコレとか、あの人の行方とかこの人の過去とか、色々と気に掛かるんだもん。それでまた「to be continued」だったら……いや、もう勘弁してください。きまぐれ読者の心変わりで★★★☆☆。前作もちょっとがっかりの★一つ減。