推薦図書募集中

ここ一月ほど、ちょっとだけ異常事態である。
まず、読書感想文(book review)が書けなくなった
本を読んでいないわけではない。最後に書いた「ドリームバスター2」の後にも、6冊を読了している。
読み終えたものが全部つまらなかったなんてことはない。それぞれに思う所があり、それなりの評価があった。だが、大興奮のあまり感想を吹聴したい!という気分になれなかったことは確かだ。
しかし、通常ならばそれでも「期待はずれ」「いやはやどうして」などと、どうでもいいことを書きたくなるものなのだ。そういうテンションが上がらない。それこそ「どうでもいい」という気分に陥ってしまうのだ。
その後とて、読書をしないわけではない。しかし、新しいものを読む気になれない。図書館に行っても、何となく借りた本をそのまま読まずに返してしまったり、読みたいと思う本を見つけながらも手ぶらで帰ってきたりしている。
まず、長い物を読みたくない。シリアスな内容も勘弁である。かといって明るければいいかというと、それだけでは物足りない。ここは一つ、暗雲を払う勢いのある謎解きが読みたい。ミステリ短編で、陰惨度低め。しかし、そういう本は既にたくさん読んでいる。持っている。本棚の一隅に「短編・アンソロジー」専用の棚を設けるくらいある。人に勧めるなら、いくらでもあるのになあ……。
そんな訳で、ここ数日は手持ちの本の中から、好きな場面を拾い読みしている。今読んでいるのは、過去少なくとも3回は読んだ「鉄鼠の檻」。榎木津探偵の暴れっぷりに「チルドレン」の陣内さんを思い出してみたり、使う機会もなさそうな京極堂の薀蓄をじっくり読んだりしている。
時々、こういった「停滞期」がある。もー、いかんともしがたい。そう思うと、プロの書評家ってスゴイんだなあ。「やる気が出ないんですぅ……」とか言っていたら、おまんまの食い上げである。コンスタントに集中力と情熱を維持する才能というのは、やはり特別なものなのだろう。
幸いにも、私には締め切りもなければノルマもない。だが、今すぐ読みたい本がないという状況が、晴れぬ気分を一層曇らせる。おそらく、石塚英彦氏が自分に食欲がないと感じる時の寂寥感と通じるものがあるだろう。(石ちゃんがそういう寂しさを持つかどうかは知らんが。)


そこで、お願いです。どなたか読書スランプの私に推薦図書してください。読み終えたら、気分晴れ晴れ爽快になるようなお話。上記条件に合致しなくても、うまく歩幅が会えばまた走り出せるような気がするのです。


最後に、読み溜めた本に★だけ付けておく。

カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

★★★☆☆(主人公が好きになれず)
プラスティック (講談社文庫)

プラスティック (講談社文庫)

★★★☆☆(途中で仕掛けが分かってしまった)
アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

★★★☆☆(期待の仕方が間違っていた)
CSI:科学捜査班―ダブル・ディーラー (角川文庫)

CSI:科学捜査班―ダブル・ディーラー (角川文庫)

★★★★☆(ごくシンプルに面白かった・シリーズ化に期待)
招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)

★★★☆☆(短編集・話によって大きく好悪が分かれる)
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

★★★★☆(ウクライナ村上春樹・意外にも好感)


CSI」と「ペンギン」はいずれきちんとレビューを書きたい。