旅するジーンズと16歳の夏



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旅するジーンズと16歳の夏 トラベリング・パンツ 特別版
デリア・エフロン ケン・クワピス アンバー・タンブリン
ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-10-06
評価

by G-Tools , 2006/10/12



<緊急告知>
 かつて16歳であった経験のある、もしくは現在16歳、あるいはこれから16歳になる女性の方へ。
今すぐに上記作品上映館へ行かれたし
(ハンカチないしタオル持参のこと。ボーイフレンドは置いて行くこと。)


 原作を読んで感銘を受けた「トラベリング・パンツ」の映画化作品。 恥ずかしながら、目の粘膜がひりひりするほど泣いてしまった。原作にとことん忠実という訳ではない。映画としてのストーリーには荒削りなところもある。演出や設定がお涙頂戴であざといと言う方もいるだろう。しかし、私は映画の中の4人の少女たちと共に成長できたような気がした。30歳を過ぎた「オバサン」がこう思うのだから、いわんや現役ティーンエイジャーをや。


 ストーリーは原作とほぼ同じ。レーナのギリシャ篇に大きな改変があり、ブリジットのメキシコ篇にも若干の改変と省略があるが、映画としてまとめるのに必要最低限な量・内容であると感じた。


 4人の少女たちを演じた女優陣が実に魅力的。特に、ブリジットを演じた(リーリー・ソビエスキーを思わせる)ブレイク・ライブリーは「バナナ色の髪」、「長身で小麦色の肢体」、「溌剌とした笑顔」が思い描いていた以上のブリジット振り。演技未経験という彼女を、よくぞキャスティングしてくれました!という気分である。彼女以外の3人もイメージ通りではなかったが、見始めてすぐになるほどレーナとティビーとカルメンとしてしっくりと馴染めた。
 また、ティビーとの友情を育む12歳のベイリーを演じた(クラウディア・シファー似の)ジェナ・ボイドも素晴らしい。どっかで見た、どこで見た……と思ったら、CSI(ヴェガス)の「ヴェガス・マイアミ合同捜査」に登場した”サーシャ”役の女優だった。要注目。
 青春映画の逸品である。家族、夢、恋愛、そして友情について再考させられる一本。原作同様、若い女性だけでなく、色々な人に見ていただきたい。


 最後まで見終えて出口へ向かった。友人同士で来ていた若いお嬢さんたちが、幾人も赤い目で席に座ったままでいた。人生には一人で乗り越えなきゃいけないことの方が多いけれど、友人がいればどうにかなることもたくさんある。お嬢さんたちに幸多かれ。