おまけのこ
「しゃばけ」シリーズ最新作。お馴染みの登場人物たちの物語には落ち着きが出ており、ある意味「マンネリ」。だが、それが心地良い事に気付いた私は、もう若だんなと妖（あやかし）たちと離れられなくなっているのだった。★★★☆☆
どうしても幸福に近付けない存在の寂しさを描く「こわい」、名バイプレイヤー屏風のぞきの活躍が楽しい「畳紙（たとうがみ）」、若だんなの子供時代と菓子屋の栄吉との友情の始まりを描く「動く影」、若だんな吉原に行くの巻……である「ありんすこく」、子鬼の鳴家（やなり）の冒険譚「おまけのこ」の五篇による短編集。
そうそう、こんなの発見。「バーチャル長崎屋」だそうな。よくできていて、とても楽しい。本シリーズ未体験の方は是非ごらんあれ。これによれば、次作は第一作以来の長編になるようだ。うむうむ、楽しみ。
