女信長

photo
女信長
佐藤 賢一
毎日新聞社 2006-06
評価

by G-Tools , 2007/03/25


【商品の説明・内容(「BOOK」データベースより)】
織田信長は女だった―鬼才が、空前絶後の大胆な発想で、史実のなかに「生身の信長」を描ききった、傑作戦国小説。
【内容(「MARC」データベースより)】
織田信長は「天才」ではない。普通の人間、そして、女だ。だからこそ、時代の最先端をいき、歴史はかくの如く動いたのだ-。鬼才が、空前絶後の大胆な発想で、史実のなかに「生身の信長」を描ききった戦国小説。



  • 戦国武将の話なのだが、合戦シーンなどはほとんど描かれず、ほぼ会話シーンのみで構成されているのが面白い。他の作品を読んだことがないのだが、この作者の特徴的作風なのだろうか?
  • 男の振りをしていても、女だから新しく、大胆で、合理的な信長だったのだ、というアイデアは面白い。しかし、どうせなら周囲にも女と知れていて、かつ信長であるとした方が話としては面白かったかもしれないと思ってしまった。そうなると、描くもの自体が異なってくるだろうが。
  • 男のように生きた女の不幸を描いているわけではない。なんとなれば、信長は女の肉体を利用して男達を篭絡したりもするのである。女として男を愛しもするのである。それなのに、最後は女に対する恨み言のような述懐で終わるのがつまらない。結局「女は女として男と共に生きるのが幸福」ということなのか?それは実際真理なのかもしれないが、エンターテイメントとしては尻すぼみの印象を受けてがっかりした。