地震と猫を考える

新潟県中越地震のニュースを見ながら、東京で同レベルの震災があった場合、猫をどうすればいいのだろうかと考えている。


避難所には連れて行きにくい。猫アレルギーや猫嫌い、またスペース等の問題もあるだろう。狭い所にぎゅうぎゅうになっているのに、自分達だけ猫トイレだのケージだの置くわけにはいくまい。
同じ東京都でも、板橋区練馬区には区と獣医師会が協力して避難所にペット用スペースを確保するという協定があるようだ(犬、猫、小鳥その他小動物)。
http://www.rescuenow.net/get_close/pet/06_kyotei.html
しかし、私の住む区にはそういった決まりはない。


静岡新聞地震と生活に関するFAQ (http://www.shizushin.com/feature/jisin/jisin_qa)では、下記のような問答がある。

質問 : 避難が必要になった場合、ペットはどうすればよいでしょうか。避難所へ連れていくことができますか。
回答 :  犬や猫などのペット動物を家族の一員として共に生活する家庭が増えています。大地震が発生し、避難しなければならなくなったとしても、飼い主にとっては大切なペットを家に置き去りにしていくことはできないことと思います。
被災直後に動物の救護施設を開設することは困難ですので、その場合、一時的に避難所にペットを連れて行くことになると思われます。もし、そうなった場合に備え、日ごろから次のものをペット用非常持ち出し品として用意しておくと良いでしょう。
▼ケージ▼一週間分のペット用食料▼水(ペットボトル)▼食器(食物用、水用)▼リード(鎖)▼首輪(名前、連絡先記入)▼ペットの写真▼ペーパータオル▼ウエットティッシュティッシュペーパー▼ビニール袋▼タオル―など
また、ペットがケージの中に入ることを嫌がらないようにしつけておくことも必要なことと思われます。 (静岡県環境衛生室)



ここで認められているのは、あくまで一時的避難である。集団生活が長期に渡ることが予想され、なおかつ自分達が移動できない状況になった時が難しい。東京が震災に遭った場合、その被害と復旧に掛かる時間は地方都市の比ではないと聞く。
出来ることなら、家族全員でどこか安全な所に避難したい。しかし、交通が遮断・規制されることも充分ありうるし、被害の範囲が広ければ、安全地帯に行くこと事態が困難となるだろう。
避難所にも長居できず、自宅にも戻れず、自宅近辺から出ることも出来なかったら……どうすればいいのだろう?同じような境遇で猫を飼っている人たちと連携を取って、どこか「猫専用」「犬専用」避難所を確保できないだろうか?屋根と壁があって、風雨をしのげさえすればいい。地下の自転車置場でも、倉庫でもいい。集まることにリスクもあるが(伝染病・ケンカ等)、情報や食料を持ち寄れば互いに助けにもなるだろう。
人命優先なのは百も承知だ。しかし、そんな状況で自分の猫を見捨てたら、私はその後数日しか生きなくても、何十年も生きながらえたとしても、ずっと自分を許せないだろう。だから、こうやって猫のことを思うのは、全て自分のためでもある。


以上は全て私の妄想だが、今重要なのは現在被害に遭われている人と動物への支援である。
新潟県獣医師会への義援金は、まだ準備が出来ていないようだ。
http://www.vets.ne.jp/bbs/f_0700.html(情報交換BBS)
http://www.niigatakenju.or.jp/新潟県獣医師会)
日本動物福祉協会(http://www.jaws.or.jp/)では、先の水害に対する募金は行っている。
振込先:第四銀行県庁支店(普)1260716
口座名義:新潟県動物愛護協会7.13水害動物救済募金
詐欺も出始めている事もあり、出来ることならば、活動母体が充分に大きい現地の団体にお金を預けたい。しかし、実際にそこで困っている人達にその管理まで頼むのは無茶なのかもしれない。
とりあえずは赤十字義援金に少しお金を出した。人間が少しでも潤えば、他の動物を気遣う余裕も出ることを期待して。


夕方のニュースでは、避難所になっている学校の靴箱の辺りが映っていた。シーズー犬が数匹つながれており、皆それなり元気そうだった。少し安心した。
我が家の猫は、少しめそめそしている私のそばを通りつつ、上目遣いで「ぐにに」と鳴いた。猫は杞憂と無縁なのだ、とでも言いたかったのだろうか。笑っているように見えた。