電車の中で

じょしこうせい があらわれた。
じょしこうせい があらわれた。
じょしこうせい は会話をしている。


「てゆっかあんたは北京原人だよ。」
北京原人ならいーや。人間に一番近いんでしょ?※1」
「じゃあ、クロマニヨン人。あんたは一番古いやつでいーよ。※2」
北京原人っておいしそうじゃない?北京ダックみたいでさあ。※3」
クロマニヨン人の次って何だっけ?」
「『ピョ』が付くよね?」
「つかないでしょー。『グーテンターク人』?あれ、これじゃ『こんにちは人』になっちゃう。※4」
「『ネ』なんとかじゃなかった?」
「ネーネーネー……『ネール原人』?」
「あ、そうそう。……あれ何か違くない?間に何か入るよ。」
「ネーネーネー……『ネダール原人』!※5」
「そうだっけ?」
「違う?」
「分かった!『ネパール原人』だよ!」
「そうだそうだ。あーすっきりした。※6」


わたし はぼうぜんとしている。


※1〜2:ここに出てくる名称の順番としては(一部出てこないが)、

  1. 北京原人
  2. ネアンデルタール人
  3. クロマニヨン人

の順に進化している。
※3:アタマに「北京」が付けば「おいしそう」なら、「北京五輪」はさぞかし魅力的だろう。ドーナッツみたいで。てゆーか君等は原人を食うのか?
※4:その後はドイツ語の話題で盛り上がっていた。「ダンケはありがとう。」「じゃあ、『ダンケシュート』って『ありがとうシュート』って意味だったんだ!」「……。」
※5:聞くだに怖い「ネダール人」。あれくれこれよこせとさぞやうるさいに違いない。
※6:思い出そうとしていたのは「ネアンデルタール人」のことだと思う。こっちは全然スッキリできない。


数日前、自分も言葉が思い出せずに悩んでいたので、思わず聞き入ってしまった。
しかし、実に明るく楽しそうであった。