ドリームバスター

ドリームバスター

ドリームバスター

ゲーム好きの著者による、アクションRPGを想起させるSFファンタジー
現実世界に突如異世界への扉が開く「JACK IN」、物語の設定が詳細に語られる「First Contact」、そして異世界の様子が語られ、続編への期待をかき立てる「D.Bたちの“穴(ピット)”」の三篇で成り立っている。
主人公はドリームバスター(D.B)の少年。突発的な事故でこの世界と繋がってしまった、過去か未来のどこかにある惑星の住人だ。ウェスタンとタトゥイーンスターウォーズの砂漠の星)を合わせたような世界である。
二つの世界を繋げたその事故によって、肉体を持たない50人の凶悪犯の意識―シュリンカー―が、こちらの世界に逃げ出してきた。
シュリンカーは、肉体を求めて弱った肉体を捜す。入り口は人間の「夢」だ。悪夢の中で、彼等は人の意識に取って代わる。悩みがある人、病に苦しむ人……彼らは格好の「いれもの」になる。一度肉体を乗っ取ったら、シュリンカーは「いれもの」が使えなくなるまで好き放題暴れることだろう。
D.Bは、シュリンカーを追って人々の夢に入り込む。彼等を固定し、捕獲し、自分たちの世界に連れ帰るために……。


さて、私にとっては初の「宮部ファンタジー」である。
まあ、そこそこかな……とタラタラ読み進んでいた。いかにも宮部的な登場人物が、突発的ファンタジーに巻き込まれたり、生き生きと動き回ったりする。週刊誌での連載だったせいか、説明はややくどい割りにちょっとややこしい。
主人公の少年の口調は「ムリヤリ若者言葉」といった風情でナンダカナと思うところもある。しかし、異世界の若者だしな……。うーん、★三つかな?などと考えていた終盤のことだ。
おお?おおおおお?ほほーお。へえーえ、こう来たかあ
面白いじゃねーか。続きが楽しみになったぞ。という訳で、残り50ページで★一つアップ。山田章博のイラストも雰囲気ばっちり。★★★★☆