魔王城殺人事件

魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

ミステリーランド」6冊目。
以前私を「葉桜の季節に君を想うということ」で騙した歌野晶午による、「本当に子供のためのミステリ」。


主人公は、小学5年生の佐藤翔太。東京都下の新興住宅地に両親と三人暮らしの、ごく平凡な少年だ。
山を開いて生まれた町には、雑木林が今なお多く残っている。そんな林の中で最も広く、深いものの中に、一軒の家が建っている。三角屋根が特徴的な、古びた西洋館。持ち主が侵入を禁じているその屋敷は、いつでも門が閉じ、窓に掛かるカーテンが開かれることも、人の姿もない。
小学校には、この家にまつわる多くの怪談が伝えられてきた。曰く、すすり泣く女の声がする。曰く、庭には死体が埋まっている。子供の好奇心を刺激することこの上ない。翔太達は、この屋敷を(人気RPGのラストダンジョンから取って)デオドロス城と呼ぶようになっていた。
翔太は、活発な同級生に引っ張られるようにして、屋敷の探検に赴く。すると、そこには「物質をワープさせる小屋」が!五年一組一斑、グループ名「五十一分署捜査一課」が、今ここに活動を開始する……。


以前騙されている私は、「この子は……なんじゃないか?」とか「これは……なるに違いない!」とか、邪推の限りをつくして読んでいたが……それが報われたかどうかは、読んでのお楽しみ。
放置された伏線があるように思えるのだが、ひょっとすると続編が予定されているのかもしれない。★★★☆☆