気になるボンド
私は「いい男」が好きだ。「いい男」は「イケメン」と同義なんかではない。真の「いい男」は、あと数年もすれば侮蔑的なニュアンスに偏るであろう流行語なんかに左右されないのだ。腕っ節は強いが、むやみにそれを誇示することはない。知識は豊かだが、披露する時にもイヤミにならない。見た目に飾りをヒラヒラ付けることもない。素材がいいから、無理して虚勢も張らない。
そして、もちろん顔が良い。この場合の「良さ」は土台だけの問題ではなく、最も重要なのは表情である。卑屈さや焦りを感じさせず、そのくせ傲慢にも見えない。淡々としているようだが、決して酷薄ではない。バリエーションが多く、澄ました顔と笑い顔のギャップにグッと来る。ニコニコはしても、ニヤニヤはしない。
ああ、なんてステキな「いい男」……。
しかし、「いい男」は浅倉南ちゃん同様ファンタジーに過ぎない。そんな奴いねーよ!の一文で退けられる確率は、ネッシーよりも高い。また、仮にそんな男性が実在したとしても、(1)残念ながら人間ではない (2)残念ながら女性に興味がない (3)残念ながら私に興味がない のどれかに該当する可能性は、日本代表サッカーチームがドイツワールドカップに出場できるオッズより高い。ああ、もう決定してたか。
そんな訳で、「いい男」は夢と妄想と思い出の中だけにいる……と思いきや、神は我を救い給えり。「いい男」は映画の中にもいるのである。その名はボンド。ジェームズ・ボンド。
007シリーズの大ファンではないのだが、子供の頃からボンド氏とは顔馴染みである。何せ、しょっちゅうTVでお目にかかる。一種の寅さんみたいなものだ。どの話を見たのか(見ていないのか)、もう良く分からん。
けれども、かなり最近まで彼のことは「ケッ」と思っていた。あちこちに無駄な毛は生えてるわ、マッチョな脂でギラギラしてるわ、車の運転は乱暴だわ、物は壊すわ、節操もなく港々で女をたらしこむわ、鬱陶しいったらない。じじいになったショーン・コネリーは好きだが、ボンドを演じていた頃(1〜5・7)の彼には興味がない。
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けれども、ピアース・ブロスナンは20作目まででお役御免となることが決定したらしい。ボンドの若返りを図る製作側の意向のようだ(次回作では「28歳のボンド」が描かれるらしい)。契約継続&最後の出演作かと伝えられていた21作目には出演しないとのこと。
えええー、ヤダー。見たい映画が満席で仕方なく見た「トゥモロー・ネバー・ダイ」(18)、ほほーと思いレンタルした「ゴールデン・アイ」(17)、いそいそと見に行った「ワールド・イズ・ナット・イナフ」(19)、平日に館内に一人で見た「ダイ・アナザー・デイ」(20)。ピアース・ボンドだけは全部見て、覚えにくいタイトルも、アホらしいほど荒唐無稽な内容も区別が付くのに!
だが、決まってしまったものは仕方ない。そうなると、次は誰が007を演じるのか?に興味が出て来るのが人情というものだ。決して薄情というものではない。
巷の噂では、恐ろしくたくさんの名前がリストアップされている。まあ信憑性が高そうなところから並べるならば(画像左から)、ジュード・ロウ、クライブ・オーウェン、コリン・ファース、コリン・ファレル、オーランド・ブルーム、ヒュー・ジャックマン。
ううーん、誰も100%完璧という印象は得られない。また、このうち数人は既にオファーを断ったとも聞く。
おいおい、というツッコミが世界中から聞こえそうなのがヒュー・グラント。
まず、実現はしないだろうが……すげー見たい!いつでもネクタイが緩んでいるボンド。ダークスーツよりもよれよれニットが似合うボンド。立ち上がってアクションしているよりも、横になってゴロゴロしている時間が長いボンド。銃を撃ったら自分でも驚くボンド。いいなあ、ヒュー・ボンド。ボンドガールには、元恋人のエリザベス・ハーレー希望。ヒューがのんびりしてる間に、エリザベスがバリバリ仕事しそうだな。
賛否両論あるだろうが、もう一人見てみたいのがジェイスン・ステーサムのボンド。
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また、新ボンドには無名の若手俳優を採用するとの噂もしばしば聞かれる。そのため、映画出演の経験が少ないTV俳優の名前も挙がっているようだ。じゃ、じゃあ是非ラスベガス市警科学捜査班のグリッソム主任(ウィリアム・ピーターゼン)を!
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主演俳優と監督が決まらぬまま、映画自体は来年公開予定とか。うーん、流石にそれは無理でしょうな。実はこっそり進めているならともかく……実はこっそりやってるのか?
最後に告白しておきますが、家人はジェームズ・ボンドってタイプじゃありません。どっちかというと、Q(変な発明をする人)です。私もボンドガールじゃありません。マネペニ(ボンドに憧れる地味な事務員)です。実生活では、ちょっとナヨナヨした人が好きです。そんなもんです。