とことんわかりやすく解説した中学3年分の英語
この前生まれた子供が、もう中学に入るので……という訳ではないのだが(あたりまえだ)、細切れにしか時間を取れない今の時期だからこそ読んでみるこんな本。
で、これが中々よろしいのである。
私の英語の弱点は「文法」である。それ以外も外国人に道を聞かれてもなんとか分かる程度なんだが、文法はそんなもんじゃないほどヒドイ。特に、冠詞・定冠詞(a/the)の使い分け、単・複数形及び「数えられない名詞」、関係代名詞の使い方がハチャメチャである。
当座の意志の疎通を第一目標に掲げるならば、文法は二の次であるとは思う。しかし、細やかなニュアンスを確実に伝えたいならば、やはり正しい文法を抑えることは重要なのだ。例えば、こんな文章がある。
I like chickens.
I like chicken.
どちらも文法的に正しいが、それぞれ意味が違う。
複数形なら「にわとりってカワイイよね。好きだなー」というような意味。カワイくなくてもいいんだけど。
単数形の場合は、「鶏肉ってウマイよな。好物なんだよ、へっへっへ」ということになる。いや、笑わなくてもいいんだけど。
「うちのかわいいコッコちゃんを紹介するわね」と言われて、「美味しそうですね」と返答せぬよう気を付けねばなるまい。
本書には、このような例文が多数収録されており、私はううむとかほほうとか唸りっぱなしなのである。
本書の欠点についても述べよう。
まず、発音をカタカナで表記している点がいただけない。「e-mail」の発音を「イーメーィオー」とか書かれちゃうと、中国語講座に出ているような気分になる。発音記号を使いましょうよ。
また、英語文例は数こそ多いものの、そのほとんどが独立した短い構文のみとなっている。例として出て来る会話文は全て日本語で書かれ、その説明文中に「上記のような表現の場合には……を用います」という形で英文法のポイントが出て来るだけなのだ。
しかし、これは大人の視点からのクレームである。私が現在中学生だったならば、文法を習得するのに発音なんてどーでもいいだろうし、その章のポイントに関係ない会話文なんて邪魔になるだけだろう。そういう意味では、今更こんなものを読んで感心している私の不平なんて些細なことだ。
ということで、冷静評価の★★★★☆。将来子供にバカにされないよう、今の内に勉強しておこうっと。