突発性夏休み

nekonomimi2006-08-07



家人が急に言うのである。
「君も夏休みを取ったら?」
「も」も何も、当人には夏休みなどない。それに、私は既に育児休暇を取得しているので、夏季休暇まで取ったら二重取りであると言ったが、家人はなおも言う。
「実家に何日か泊まってきたら?」
要は、自分が一人暮らしで羽を伸ばしたいらしい。ジャンクフード食べて、不届きな映像やら本やらを楽しんで、猫といちゃいちゃする企みなのである。想像上の愛人(26歳OL・おしゃれなお店やカフェが好き)の家に遊びに行こうかな〜、とか妄想を語って楽しそうなのである。
(注:愛人は実際にはいません。たぶん。)
冗談はともあれ、家庭内夏休みは必要かもしれない。私は大らかで些事にこだわらない性格(大雑把でいい加減でズボラ、とも言う)。対して家人は、自分が決めたルールが乱されるのを嫌う性格である。あるべきものはあるべき場所に、カーテンは開けるか閉めるかどっちかに、料理の盛り付けは美しく、車はFR……という彼のモットーを、私はあまり気にしない。このように万事テキトーな私が一緒にいると、ストレスが澱のようにじわじわと溜まるのだろう。無理のないことだ。時にはリセットも大事だろう。でもねー、ちょこっとだけカーテンを開けたい時もあるんだよー。(こういう態度が癪に障るんだろうな。)


そんな訳で、繊細な家人に夏休みを差し上げるべく、無神経な私は明日から数日実家に寄せてもらうことになった。本当はもう少し先にしようかと思っていたのだが、「なんなら今日からでも」という勢いの両親に押されたしだいである。
やや調子に乗った家人が「なんなら5年くらい行ってるといいよ」と言うので、「じゃあ、かん子さんには『お父さんは船乗りなのよ』って嘘教えるよ」と脅した。家人は嬉しそうに「ボン・ボヤージュ」と言った。なんじゃそりゃっ。


うららの世話と、鉢植えの水遣りを家人に頼み、明日からちょっと「帰省」してきます。電車で一時間と少しの隣県ですけどね。

写真:家人が「美しく盛り付けた」冷やしタンタン麺。確かに、私はここまでキレイにはしません。メンドクサイから。猫もきっとそう言うことでしょう。