猫島ハウスの騒動

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猫島ハウスの騒動
若竹 七海
光文社 2006-07-21
評価

by G-Tools , 2007/01/20


【商品の説明・内容(「BOOK」データベースより)】
葉崎半島の先、三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す日々を送っている。そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった!?奇妙な「猫とナイフ」事件の三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!降ったきた男は「猫とナイフ」事件にかかわりがあるようだが…。のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する!奇妙な事件に奇矯な人々、そして猫・猫・猫…ユーモアとシニカルを絶妙にブレンドコージー・ミステリの名手、若竹七海の真骨頂。



2002年の「死んでも治らない」(かなり好き)*1以来、久々の新作である。「ヴィラ・マグノリアの殺人」、「古書店アゼリアの死体」、(「死んでも治らない」中の一篇)同様、三浦半島の先に存在するらしい、架空の地「葉崎市」を舞台にしたストーリー。探偵役は、これまた前作と同じく駒持警部補、そして素人探偵の皆さん。それから……猫?


「葉崎モノ」らしい、気負わず読める、気楽な一冊。猫てんこ盛りだが、擬人化されたり、猫可愛がりされたりはしないので、そういうテイストが苦手な方にもオススメできる。このシリーズを既読の方には、前作まででおなじみの登場人物が、変わらずまたは成長して現れるのを見る楽しみもあろうかと思う。(無論、本作が初めの一冊でも、何の問題もない。)

*1:

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死んでも治らない
若竹 七海
光文社 2005-01-12

by G-Tools , 2007/01/27