まんま語

nekonomimi2007-03-27






  • 「まんま」を変換すると「飯」になる。しかし、子供にとって「まんま」は「食物」だけを指す言葉ではないらしい。「足りない」「もっと」「こっち来て」「おかーさん!」……要求を意味する全ての言葉が「まんま」になるようだ。


  • 大人がご飯を指して「これが『まんま』だよ」と教え、赤ん坊がそれを覚える訳ではない。子供が叫ぶ「まんま!」を、大人が「これは飯のことを言うのであろうか?」と推測し、言葉として定着させたものなのだ。今更ながらそれに気付き、一人驚愕した。赤ん坊は大人を操作する術を知っているのだ。怖いなあ。


  • 「まんま」の発展形は「まんまんまんまんま……」という連続形態を持つ。その時の口の様子を見ていて、唇を閉じ合わせて→開くという動きを伴う「あ」の子音は「ま」だけなのだということに気付く。「ま」行はみんなそうだ、ということも。この唇の動きが可能になることで、多様な発音が身に付いていくのだろうか?とか考えていると、いつまでも「まんまんまんま」コールされてしまう。


  • マ行トレーニングの成果か、発音のバリエーションは着実に増えている。ある日、保育園で「ほーらお母さんだよー、おかえりー」と保育士さんが言うと、「おか!」と真似をした。「コーチ!」と返そうかと思ったけど、踏みとどまった。


  • 意味はないんだろうけど、時々明瞭に聞こえて面白い言葉がある。「アッガイ」→通だね……。「I got(アイガッ)」→「巴里のアメリカ人」でジーン・ケリーがフランス人の子供達に英語を教えるシーンで歌う曲が「I Got Rhythm」*1。ここで子供が叫ぶ発音そっくりにかん子さんもまた叫ぶのである。

巴里のアメリカ人

  • しばしば「あっば」と言うのだが、クリスチャンスクールで教育を受けると、これを聞いてまずABBAとは思わない人間ができあがる。信仰もないくせに、新約聖書に出てくる「アバ、父よ」が頭に浮かぶのである。久し振りに思い出しちゃったなあ、とか思って検索してみて、「アバ」がアラム語で「父」を示す赤ちゃん言葉*2だというのを知る。発音しやすい言葉が赤ん坊の身近な要素(ごはん・父母など)を指す言葉になると考えると、赤ん坊レベルでは世界共通言語を作れるのかもしれないなあ。しかし、どんどん成長して大人言語を習得してしまうから、各国新生児会談の早期開催が望まれるんだけど、やっぱ無理かね。

*1:こんなものを発見。http://www.well-piano.com/files/virtualpiano_files/igotrhythm/virtualpiano.htmlタッチタイピングができて楽譜の読める方はお試しあれ。私がやるとお経のようです。

*2:http://www.geocities.jp/kihara0918/sub212.html