覚えていない

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覚えていない
佐野 洋子
マガジンハウス 2006-08-24
評価

by G-Tools , 2007/06/09

【出版社 / 著者からの内容紹介】
「金」と「愛の生活」こそ世の中の二本柱だと断じ、悪女と善人について語る。美人をめぐる男のダメさかげんを嘆き、着物の誘惑に溺れる。まったく佐野洋子のエッセイはどこから読んでも面白い。
【内容(「MARC」データベースより)】
人生は忘却の中に埋れているのだ。50代はつくづく若かったなあと思い、そして書いてある出来事を私は全部忘れていた…。『本の雑誌』に連載されたエッセイをはじめ、さまざまな紙誌に掲載されたものをまとめて単行本

  • 残念ながら、著者のエッセイ集の中ではできの良くない部類である。あちこちに書かれたものをまとめたせいか、全体に調和に欠ける。でも、面白いものが数編はちゃんとあって、総合すれば★3になる底力。
  • 男になって、キレイな女にヨダレをたらす気持を味わい、理解してみたい。女は男がハダカでズラッと並んでたって楽しくないもんね。見ただけで分かる男の魅力って何?「うーん、やっぱ金かなあ」……という落とし方を作れる作家が他にいるだろうか。いたとしても、それはきっと男性ではないんだろうな。
  • 女二人で渡辺淳一の「うたかた」を読んで、主人公の浅薄さを笑い、それに付き合う女のふてぶてしさを明かし、またそれに騙されている男を哀れむ様子がたまらなく可笑しい。「ねぇどこが淫蕩なのよ、ただやってるだけじゃん」「それにしても大げさな男だね。“恋という名の煉獄”だってさ。“滅びるなら滅びてもいい”とかさ、今どき不倫位で滅びる奴いるかよ」
  • 日本のオバサンの情の深さと猛々しさを楽しめる作品。