フィッシュストーリー
「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が時空を越えて奇蹟を起こす。デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
動物園のエンジン ★★★☆☆「ラッシュライフ」で「神の解体」を描いた青年の父が登場する。
サクリファイス ★★★☆☆マジメな空き巣、黒澤による「嵐の山荘」+「寒村の風習」もの。
フィッシュストーリー ★★★☆☆正義の味方の作り方+世界を救う方法教えます。
ポテチ ★★★★☆遺伝子と親子の情愛とピタゴラスの定理。
ごく単純に面白い。疲れることなくさらりと読めて、伏線と種明かしに感心しつつ、含まれるメッセージにしんみりと感動できる。しかし、残念ながら「人生の一冊」に入れたいような作品ではない。作り手に野次を飛ばすばかりの読者にはなりたくないが、なーんか最近薄くなってやしませんか?伊坂さん。