阿修羅ガール

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阿修羅ガール
舞城 王太郎
新潮社 2005-04
評価

by G-Tools , 2007/07/21

内容(「BOOK」データベースより)
アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

疲れました……。すさまじい文体(褒めてる)と、まじすごいキャラクタ設定(褒めてる)と、すごまじい状況設定(訳分からんが褒めてる)に振り回された367ページ。
舞城王太郎という人は、きっととても怖がりなのだろう。自分が何を恐れているのかを、ずっと考え続けているのだろう。そうして自らの深遠を覗き込んで得た化け物を、自らの小説の中に解き放っているのだと思う。怖がりで、同時に見事な勇気の持ち主である。私はこんな風に内省できないし、したとしても文字によって自分の最も醜い部分を具現化するなどできはしない。
間違いなく、現代日本を代表する作家と言えるだろう……けど、万人には薦められないタイプかも。他の作品も読んでみたいが、もうちっと元気のある時にする。