ありがとうチモシー
二次大戦時のカリブ海、キュラソー島。Uボートの攻撃で、アメリカに帰国しようとしていた少年フィリップは海に投げ出される。子猫と共に老黒人チモシーに助けられた彼は、無人島に上陸。難破時の事故で失明したフィリップは、最初は自棄になり、無学なチモシーを蔑んでいたが、徐々に友情が芽生え、互いに慕い合うようになる。しかし、島に巨大なハリケーンがやって来て……。
図書館で見かけて読んでみた、古いこどもの本。
教訓的なだけでなく、サバイバルの楽しさ(こどもってこういう詳しい説明が好きだ・私も好きだけど)や、移り変わる心理描写の繊細さなどが秀逸。児童文学の正しいスタイルというものを定義する必要があるのなら、この作品はそのモデルにできるだろう。
訳者あとがきに「映画化の予定」と書いてあるけれど、実際にされたのかどうかは確認できなかった。