狐狸の恋(お鳥見女房)

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狐狸の恋 お鳥見女房 (お鳥見女房)
諸田 玲子
新潮社 2006-08-19
評価

by G-Tools , 2008/01/26


内容(「MARC」データベースより)
珠世の夫、伴之助が2年余の影働きから命からがら帰還し、矢島家は一家そろっての平穏な暮らしを取り戻しかけていたが…。珠世の情と機転に今日も誰かが救われる。家族の絆に心打たれるシリーズ第4弾。

「わがみ世にふる、じじわかし」を読んでいる時に、「賢い奥さん」関連でこれを読んでいなかったことを思い出した。
同じくマンネリ気味のシリーズなのだが、こちらの方はそれを「馴染み」と感じつつ読めた。この家族、矢島家の居候になって、ずっとその様子を見ているような気分になれるのである。
情がなければ、人に慕われない。機知がなければ、人を助けられない。両方を具える珠世さんは、作者の理想の女性像とのこと。私も、まるで似るところはないけれど、こんな人にいつかはなれたらいいなあ、と思う。
2006年夏に本書が刊行されて以来、本シリーズの新作は出ていないようだが、もし次があるならばそれが最終巻となることだろう。