100日目(あるいは幸福な母親)

nekonomimi2006-06-02



 6月1日、かん子さんは誕生から100日目を迎えた。五月半ばに首が据わり、今週には目で見たものを手で触れるようになった。来週には座り、来月には歩き、来年には大学受験が控えているなんてことはないが、ゆっくりとしかし確実に成長しているようだ。


 あっと言う間の100日間だった。最初の頃こそあれこれ悩んだり、落ち込んだりしたものの、すぐに自らの幸運をありがたく思うようになった。これほど楽でいいのだろうか?と後ろめたく思うほどに。
 現在のかん子さんは、基本的にハッピーな性格である。長くぐずったりすることは滅多にないし、夜は部屋を暗くしておけば7-8時間は連続して眠ってくれる。外出時に泣くこともない。朝は特にゴキゲンで、おはようと声を掛けるとニコニコする。今だけのことかもしれないが、それでも充分私は楽をさせてもらっている。
 それに、こんなにかわいらしい子供が他にいるだろうか?いるんだろうな。いるはずだ。親の数だけいるだろうし、子供服のカタログを見ても、怖いくらいに美形のベイビーが沢山いる。でも、と大バカで親バカな私は思うのだ。ここまでかわいい赤ん坊が他にいるだろうか?いる訳ない!こんな桃のほっぺに、長いまつげに、輝くような笑顔のホモ・サピエンスはいないよ。


 たぶん私は幸運で幸福なだけではなく、相当おめでたい人間なのだろう。


 100日目には「お食い初め」という儀式を行った。一生食うに困らぬように……という願いを込めた祝い事である。私の両親がかん子さん用の食器を贈ってくれた。



新しいものをチェックする係の猫


 私は花を生けた。「ヒノマルウツギ」というおめでたい名前に、野趣のある芳香を持つ花だ。花屋で一目惚れ。セイヨウバイカウツギ(西洋梅花空木)とも言うらしい。
 家人の両親は立派な鯛と、お膳の食事を用意してくれた。形だけではあるが、かん子さん初めてのお食事である。


 この先の100日、いや100年も、かん子さんにとってよいものとなりますように。