赤子の魂百まで?(あるいは 家人の誕生日)

nekonomimi2006-07-06



今週、家人の誕生日があった。休職中でビンボーな私を慮り、家人は「今年はプレゼントとか考えなくていいからね」と言ってくれた。
しかし、最近仕事も忙しく、ストレスが溜まっている家人をちっとは労わろうかなーと思わぬでもない私は、こっそりと買物に出掛けることにした。替えのオムツを持ち、ミルク用のお湯を保温バッグに入れ出発。目的地は、はるか彼方(片道30分)新宿はパークハイアット東京


地下鉄と山手線を乗り継ぎ、新宿駅からバスでホテルへ。目当ての買物を済ませ、同じルートで帰宅した。バスを待ったり、花とケーキとワインを買ったり、小田急でかん子さんのオムツチェックをしたりで、結局3時間弱の外出時間となった。
大荷物を抱えて奮闘した甲斐あって、家人は大変喜んでくれた。ああ、私って本当にエライ。


さて、外出時間3時間。その間、かん子さんは一回も泣いたりぐずったりしなかった。何かあったら引き返そう、必要ならばすぐ電車を降りよう、そう覚悟していた私はいささか拍子抜けした。
時折大きな音に驚いてモロー反射を見せるものの、その後は興味深そうにきょろきょろするだけ。バスがガタガタしようが、山手線がけたたましく入線しようが、平気の平左である。その上、知らない人に見つめられると、にっこりする。隣に座る人、前に立つ人が口々に「大人しいわねえ」、「かわいいわねえ」とおっしゃる。はっはっは、その通りです。
かん子さんの賞賛者は、ほぼ9割が年配の方である。ホテルの前で帰りのバスを待っている時、停留所の脇で工事をしていた。そこにいた交通整理のオジサンは、棒振りそっちのけでかん子さんに大注目してしまった。何か事情があって会いに行けないお孫さんでもいるんだろうか?と妄想するくらいの集中度。
「かーわいいーねー、うわー、こんな小さいのに二重がくっきりしてるんだー、暑いねー、バス来ないねー、まだかなー、うわー笑ってるのー、あーバス来たよー、気を付けてねー、ばいばーい」
オジサンも、交通整理がんばってね……と言いたかった私。


私自身は、人付き合いが苦手な方である。人間関係の距離を測るのが下手で、踏み込みすぎて嫌われるんじゃないか、間を置き過ぎて素っ気なく見えるんじゃないか、としょっちゅう悶々としている。馴れ馴れしくしすぎる方が、後で自己嫌悪に陥ることが多いので、制御できる限り距離を置くようにしている。
子供の頃からそうだった。人間関係を構築するのが不得手で、内向的だった。特に覚えているのが、幼稚園が辛かったことだ。知らない子供に話し掛けられるのが怖くて、朝の下駄箱ではずーっと自分自身と会話していた。休み時間も、外に出て知らない子供と遊ぶより、室内で絵本を読む方がうんと幸福だった。
でも、そんな自分が不適応だと分かっていたので、迎えに来てくれる母にはいつも嘘をついていた。友達は沢山いて、お弁当は全部、しかも組で一番早く食べた。今日も楽しかった。明日も楽しみ。家に帰れば、弁当箱に食べ残しを見付けられるのに、私は嘘をつき続けていた。
赤ん坊の頃の性格なんて、一生続くものではないんだろう。でも、かん子さんが、今のまま明るく社交的?な性格を維持してくれたらどんなにいいだろう。私に似ないといいな、いつまでもこうやってニコニコして、お友達が沢山できたらいいな。そう思うこの頃である。


ところで、プレゼントに購入したのは、家人が前から欲しがっていた「ポット入りリエット&ペースト」。ホテルのデリカテッセンで扱っている商品である。
リエットとは、肉を煮てほぐし、保存用に固めたもの。ペーストは……ペーストですね(どう違うんだ?)。ともあれ、家人が欲しがっているのは中身ではない。かわいらしい絵柄付きの陶製ポットに恋をしているのだ。プレゼントにもなる上、食事にも使えた。一挙両得!


そのリエット&ペーストのレビュー。


  写真前列左から
   ダックリエット(カモ・フォアグラ・食塩・香辛料)
   ポークリエット(豚肉・食塩・香辛料)
   サーモンリエット(サーモン・スモークサーモン・バター・ハーブ・香辛料・食塩)
  写真後列左から
   ポット入りシュリンプペースト(海老・アンチョビ・ばたー・食塩・レモン)
   白レバームース(チキン)(白レバー・フォアグラ・豚脂・卵黄・生クリーム・食塩・砂糖・発色剤(亜硫酸Na))
    内容量120g、¥1,800

  • 私の好みは、ポーク・チキン・ダック・サーモン・海老の順。
  • ポークは一番塩辛く、家人曰く「ソーセージの中身みたい」。チキンは上品なレバーペースト。ダックは家人のNo.1、香辛料のバランスが絶妙。サーモンは一番塩気が少なく、これだけだと若干物足りないかも。アニス(八角)の香りが強く、不思議な味わい。海老は、「ペースト」のはずが、小さな丸っこい海老がゴロゴロ入っている。パンに塗るとか不可能だから!という妙な商品。バターの風味が強く、一番脂っこく感じる。
  • ポットの絵柄は、ご覧の通り。妙に動きがあって怖いカモ、パーマかけたてみたいなニワトリ、やたら長いブタの尻尾がなんともステキ。サーモンは……サーモンじゃないばかりか、魚類ですらないような気がする。