うさこの病院 その二



おでこのあざの診察を受けるべく、帝京大学病院から紹介してもらった、虎の門病院の皮膚科に行ってきた。
政治家が入院しているだとかで名前を耳にしてはいたものの、なんとなく小さい病院だと思い込んでいた。とんでもない、大病院である。入った途端にまず喧騒と人の波、そしてそこここに作られている人の列に驚いた。そして、清潔で患者の捌き方がうまく、待たされてもあまり長く待った気がしないのには感心した。初診の患者のカルテを作る際、立ったまま待たせたりしないのである。喧騒賑わう入り口のすぐそばに仕切られた小部屋のようなものがあり、そこのベンチで待機するのだ。ちょっと壁があるだけで、こんなにも静かになるものか、またこういう空間があるだけで、こんなにも休まるものかと思った。一人、事務の職員がこっそりとインターネットで職務に関係なさそうなサイトを閲覧していたが、そんなことだってご愛嬌だと許せる心持である。


さて、皮膚科に行ってみると、「予約以外の方は180分以上待つこともあります」などと恐ろしい文言が電光掲示板に見える。なんと3時間待ちなのか。何故か3桁の数字の方が少なく感じられる。初診なので、当然予約外である。オムツもミルクも持って来てはいるが、実際3時間も待ったらどうなるだろうかと不安に思ったが、実際には1時間もしない内に名前を呼ばれた。
医師は「うさこ」の大きさを測ったり(おでこの4分の1程度)、形を確かめたりして、診察をした。それによる所見は次の通り。

  • 切除手術になる。
  • 様子を見て、2回以上に分けて手術を行うのがいいだろう。
  • 傷は残る。(縫い合わせの一本傷)
  • 実施時期は、皮膚が柔らかい幼児期の内にゴールを決めて、それに合わせるのがいいだろう。例えば、小学校に入る前に終わらせるなど。



外見ばかりを気にする虚栄心を恥ずかしくも思ったのだが、顔に引きつれ等できはしないでしょうか?と質問をした。それに対し、神経が傷付くということはまずないし、引きつれ等もできないように手術します、と言ってくれたのが嬉しかった。また、帰り際に医師は「この程度は決して大きな方ではないんですよ」と言った。多くの患者を見ている人の言葉である。
ひとまず、半年後にもう一度診察を受けることとなった。そうそう、今日もかん子さんは(少し唸っていたけれど)イイコでした。満員電車の中でも静かにしていました。