初めての発熱



学資保険について、考えながら書こうと思っていたのだが、あれこれ商品を見ている内に収拾がつかなくなってしまった。という訳で、ちょっと寝かせてから再度検討することにした。先日のエントリーを削除し、まとまってからまた書くつもり。
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保育園は朝7時半に開園する。この時間に合わせると、私は始業時間に間に合わない。そのため、朝の通園を私の両親(以降祖父母とする)にお願いしている。私が出る20分ほど前に私の家まで来て、私の出発後しばらくしてから戸締りをしてかん子さんを送ってくれる。勤務先が元に戻り、4月から7時開園の認可保育園に移れたら、自分で送ることができるだろうが、それまではまこと申し訳ないが頼りにさせていただくことになる。


木曜日の朝、祖母がかん子さんの検温をしたところ、37.5℃あった。乳児の平熱は、大人よりちょっと高めの37℃前後が当たり前である。暴れたり泣いたりすれば、簡単に1-2度上がる。しかし、ここまで高かったことは今までになかった。
けれども、機嫌も良いし、表面的な症状も全く出ていない。離乳食をペロリとたいらげ、ミルクもしっかり飲むので、祖父母はかん子さんをそのまま保育園に連れて行った。状況を知らせた上で、必要があれば連絡をするよう保育士に頼み、ゴキゲンなままのかん子さんを園に預けた。その後、保育園の記録によれば、9時前に37.3℃あった体温は、10時には36.9℃まで下がっている。12時前の昼食では離乳食を完食し、ミルクを150ml飲んだ。あーら元気じゃない、と思った(筆者推測)保育士が食後に検温すると、なんと驚きの39.3℃。即座に祖父母宅へ電話が入った。
さて、その頃事情を知らぬのんきな母親は、職場で弁当を食べていた。祖母から連絡が入り、保育園を早退して私の家で様子を見る旨を聞き、大いに心配ではあるが、(1)仕事はちょー多忙(2)熱はあるが本人は元気 なので、5時の退社時間まで我慢することにする。
その後、かん子さんはいつもよりかなり長く昼寝をし、合間合間に水分や消化の良いものを摂取した。熱でややぐったりしつつも、イオン飲料やらヨーグルトやら普段口にしないものを喜んで飲み食いしたようだ。食べると熱が一時的に上昇するらしく、この日の最高体温39.9℃は16時前の間食の際に記録されている。ちなみに、ヨーグルトを「もっと」とおかわりした後のことである。
18時半に私が帰宅すると、祖父に抱かれ、「だーだ!だーだ!」と機嫌よく手を振り振りするかん子さんのほっぺは真っ赤だった。なるほど、高熱ながらゴキゲンを絵に書いたような状況である。
便は正常で、流行のノロウィルスとは無縁のようで安心した。「育児の百科」を読み、おそらく突発性発疹だろうとアタリを付ける。
食欲はいつもよりはないようだが、糖分の多いものを間食しているのだから、当然と言えばその通りだろう。9時過ぎに寝付いた直後、硬くならないタイプの氷枕をタオルで包んで、頭の下に入れた。嫌がるかと思ったが、そのまま大人しく寝ていた。やはり、消耗して疲れたのだろう。以降、深夜2時に目を覚まして泣いた(イオン飲料100mlを飲ませる)以外は、特に何もなく過ぎた。心配していた熱性けいれんもなかった。
ベッドの中で苦しそうに泣いていても、柵の間から手を入れ、指を握らせていると落ち着くようだ。その内に、掴んだ手から力が抜け、寝息が静かに深くなる。それを聞く内に、いつの間にか私も眠っている。


金曜日、かん子さんは保育園を休み、一日祖父母が見てくれることになった。
私は仕事である。子供を放っておいてうしろめたくないのかと誰かが聞いたら、私が働くのはかん子さんのためですと、自信を持って答えたろう。しかし、そう思えるのも、愛情を持って彼女を世話してくれる人がいると知っているからである。
働く母親で、近くに子育てを助けてくれる肉親がいない人は、どれほど苦労されていることだろうか。金銭的にも、精神・肉体的にも、私とは比べものにならない負担があることだろう。まこと頭が下がる。
以前、自称「経験豊かな小児科医」が、「保育園に子供を預ける母親は、子供に対して申し訳なく感じ、自らを恥じ、後ろめたく思わねばならない」と書いているのを読み、身が震えるほど腹を立てたことがある。毎日赤ちゃんと一緒にいられたらいいのにと、少しでも願わぬ母親がいるとこのオッサンは思っているのだろうか。自分が言わなければ、働く母親は恥知らずにも子供を放置して何とも感じないとでも言うのだろうか。何かを分かっているつもりの人間ほど無神経なものはない。


閑話休題
この日の体温は、8時前に計測された39.2℃が最高で、その後はやや上下しながらも、38℃を超えることはなかった。
午前中、祖母がかん子さんを近所の小児科に連れて行った。突発性発疹である可能性は高いが、実際に発疹が出るまでは「カゼ」としか診断できない、とのこと。発疹が出たら診断が確定するので、後日再受診することとなった。抗生剤フロモックス(ドライシロップ)が処方された。
細切れに寝たり起きたりを繰り返し、平熱には戻らぬまま金曜日は終わった。食欲はそれなりにあり、不機嫌も長くは続かない。21時半頃に就寝し、この日は朝まで目を覚まさなかった。


土曜日。6時頃、泣きながら目を覚ます。オムツを替え、イオン飲料を飲ませようとするが、嫌がる。熱が下がると、飲みたくならないのかもしれない。ぐずるのを抱いていたら寝付き、そのまま私も眠ってしまった。
8時過ぎに起きるとゴキゲンで、熱も36.6℃まで下がっており、食欲も並にあるよう。午前中1時間半ほど昼寝をした以外は、まとまった睡眠を取ることもなく、夜は9時半頃に床に就いた。
さて、私は抗生剤を服用すると、即座に下痢する体質なのだが、かん子さんも同じらしい。この日の便は毎回水っぽく、しかも午前中は1時間おきに三度もそれが続いた。午後から夜にかけても、様子は変わらない。二次感染を防ぐためのものなのだろうし、便の状態が原因で症状が悪化もしていないようではあるが、現在の状況を改善できる薬ではないため、やや心中複雑なものがある。
思い切って、夜には投薬をやめた。明日以降のことは様子を見て決めよう。