いもほりat home

nekonomimi2007-10-21

かん子さんの祖母(私の母)は、ちょっと園芸にはまっている。どれくらいちょっとかというと、自宅のベランダが年中花盛りになり、室内にも鉢植が並び、私の家でもプランターに花が咲き、ローズマリーとパセリが香り、夏にはトマトが実り、今はブロッコリが成長中な程度である(食べられる植物ばかりなのは私の希望)。
さて、そんな祖母が、夏前に大きなビニール袋に土を入れた土嚢のような物を持ってきた。サツマイモが植えられていると言う。ハート型の可愛らしい葉が付いた短いツルが、土の中から出ている。袋は北側の空き地に置かれた。大家さんに鉢植程度なら置いていいと言われてはいるが、日当たりも悪く、普段は雑草の中をヤモリが歩いているような場所である。祖母は「秋になったら芋掘りをしようね」とかん子さんに言っていたが、袋の中でどれだけ育つものなのかねえ、と私は思っていた。
そして、夏。イモは成長した。赤いツルはぐんぐん伸びて、緑の葉は土台のビニール袋を覆いつくし、地面を覆いつくし、版図を拡大し続けた。イモ型宇宙生物の侵略とかあったら、侵攻は早そうだなあ。まあ、全部イモヅルで繋がっているから、弱いんだけど。
しかし、肝心のイモの成長具合はどうなのか。それを確認できる日がやって来た。いざ、芋掘り。袋を覗いて見ると、イモは思いのほか大きく育っているようだ。祖母はかん子さんに「おイモを見せてあげる」と張り切った。
ところが……
かん子さんは、土の中から顔を見せるイモが怖いようで、「やあーこわいー」と逃げ腰なのである。おかしいなあ、毎日砂場で砂まみれになって遊んでいるのになあ。イモ型宇宙生物についても話してないのになあ。食べる方は好物なのになあ。祖母の足にしがみついて、恐る恐るイモを覗き込んでは、また目をそむけるを繰り返している。

そんな訳で、かん子さんは非協力的だったが、祖母の単独奮闘によってイモは無事掘り出された。大きいものは握りこぶし1.5個分程度のサイズ、小さいものは指2本分程度の太さである。

イモは怖いが、イモの葉は気に入ったかん子さんの記念写真。ちょっと引き気味です。

収穫したイモは、現在天日干し中。(すぐ食べるとおいしくないそうな。)ありがたく、おいしく頂戴したいと思う。実りの秋を遠巻きに堪能できた日曜日であった。