DVDで覚えるシンプルバレエジュニア〈Lesson1〉ストレッチからバー・レッスンまで
DVDで覚えるシンプルバレエジュニア〈Lesson1〉ストレッチからバー・レッスンまで 牧阿佐美バレエ団= 牧阿佐美バレヱ団 新星出版社 2005-08 売り上げランキング : 11903 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
こちらは、DVD目当てで購入。イラストより、断然実践的であろう、と期待したのだ。
しかし、こっちはしばらく使えそうもない。というのも、実演する子供が上手すぎて、参考にしかならないのである。理想型は分かるが、どーやったらそこにたどり着けるかというと、毎日毎日練習をしてこそなのだ。「左右の足を開いてすわります」と言われても、まだそこまでは開きません……という申し訳ない気分になる。
内容はよろしいので、いずれ便利に使いたいと思う。
みんなのバレエ・ストレッチ
ということで、バレエ入門したかん子さんだが、家で何をしたらいいのか分からない。いっちにー、さんしーと柔軟体操をしていても、すぐに飽きてしまう。しかし、鬼軍曹先生は「週一回教室に来たら、うまくなれると思うな。家でも練習するのだ」と言っていた。もっともである。
そこで、いつでも何でも本に頼る私は、さっそく検討した結果、2冊の実用書を購入した。
みんなのバレエ・ストレッチ 小野 恵理 川瀬 美和 新書館 2009-03 売り上げランキング : 39315 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
まずは、全編イラストで解説される「みんなのバレエ・ストレッチ」。47ページと薄く、20×25センチと大きめなので、床に開いて置き、それを見ながら運動できるのが便利。
イラストだと分かりにくいかもしれない、と不安だったのだが、杞憂であった。明快かつ丁寧な説明で、読み上げながら体を動かすと、すんなり理解できる。(体は付いていかないが、やりたいことは分かる。)それぞれのストレッチが、どこの筋肉を伸ばすためのものなのかが書いてあり、そこを意識して行うことで、できないなりにじわじわと体が柔らかくなっていく実感がある。
特に指導方法に感嘆したのが、脚を前後にぺたーんと開く「スプリッツ」の訓練法である。立ち上がり、体重を垂直にかけつつ、左右の脚を前後にじわじわ滑らせて開いていっても、そんなには広がらない。本書の方法は、両膝立ち→右脚を一歩前に→前傾し、両手で体を支えて、右脚を前に滑らせる(左ひざはついたまま)→左脚の腿の前を伸ばすようにしながら、後方に滑らせていく……というものだ。かん子さんはこれを6日間続けた結果、まだまだぺたーんではないが、かなり脚が開くようになった。やはり、できるようになると嬉しいようだ。
こども向けだが、初心者なら大人でも充分いい運動になる。てゆーか、私も付き合ってやっているが、全然できない。頑張りすぎたら、腰が痛くなった。無理は禁物である。
ならいごとことはじめ
かん子さんは、現在4歳。保育園では上から二番目、年度内に5歳に達するクラスにいる。同じクラスの女の子たちは、ある子はピアノ教室に通い、またある子は水泳教室に通い、また別の子は英会話教室に通っている。何も習っていない子もたくさんいるのだろうが、たまたまかん子さんと仲のよい子たちが、上記のような「お教室」に行っている。
最近、「かんこちゃんもー(何か習いたい)」と言いだした。別に、何もやらなくてもいいのになあ。予定も都合もスケジュールもなく、ああ今日は何しよう!何でもできる!何もしなくてもいい!っていう気分をじっくり味わいなよ。と私は思うのだが、かん子さんは子供なのでそうではない。そういや、私も幼時には昼寝が嫌で仕方なかった。*1かなり違うけれど、似たようなものなのかもしれぬ。
はじめは、「ぴあのがしたいー」と言う。調べると、月謝が高い。家にピアノもないから、それだって買わにゃならん。安いピアノでも安くない。諦めてくれ。
じゃあ、プール!と言うのでこれまた調べたら、人気が高く、抽選でしか入れない。週末クラスは特に人気があるため、同じクラスの他の子は二年前に出した応募でようやく入れたという。それに、プールが近くない。雨の日も風の日も連れて行くのはしんどい。諦めてくれ。
英会話も提案されたが、これは即座に却下した。ネイティブ同様スピーカーにならなくていいから、学校の勉強をしっかりおやんなさい。
ケチで面倒くさがり屋の母親のせいで、かん子さんはショパンコンクールもオリンピックもバイリンガルも諦めねばならない。いいのだ。出るかも分からない芽を育てるのに躍起になって、私の乏しい発想では思いもよらぬ別の花を枯らしてしまうかもしれないのだ。ピアノも水泳も英会話も、やりたけりゃ自分で始めればいい。
短評:ザ・ストレイン
ザ・ストレイン ギレルモ・デル・トロ チャック・ホーガン 大森 望 早川書房 2009-09-10 売り上げランキング : 175670 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容紹介/Amazonより
2010年9月、ニューヨーク・JFK国際空港で旅客機が着陸直後に外部との無線連絡を絶ち、照明を消し、すべての電気系統を落として誘導路上で沈黙した。人質事件の懸念から突入したレスキュー隊が発見したのは、二百名近くの乗客が席に着いたまま静かに息絶えている姿だった…。バイオテロの可能性から、当局はCDC(疾病対策センター)の特別班を召集する。チームを率いる疫学者イーフリアムは最愛の息子と過ごす貴重な週末をきりあげて空港に急行し、機内のバイオハザード調査に入るのだった。事件の原因究明にあたるイーフはやがて、この悪疫がいくつもの家族と社会秩序を引き裂き、猛烈な勢いで蔓延していくさまを目の当たりにする。それは同時に、太古の昔から地球に生きる、ある忌まわしい種族の復権を意味していた―アカデミー賞映画監督ギレルモ・デル・トロが長年あたためてきたアイディアを惜しまずそそいで贈る極上のスリル。全米ベストセラー・リストランクイン、世界21カ国で翻訳決定の傑作ノンストップ・パンデミック・スリラー。
- うそつき!パンデミック・スリラーじゃないじゃん!私の苦手なアレじゃないか!うえーん、こわかったよー!
- 本作はチャック・ホーガンと映画監督ギレルモ・デル・トロの合作である。デル・トロと言えば、「ミミック」「ブレイド2」である。「ゴールデン・ボーイ」シリーズは、面白そうだけど未見。最近では、「パンズ・ラビリンス」が話題だったが、見てない…てゆーか、美しくて、怖くて、見たいけれども、見たくない。
- とゆーことで、上記紹介を読んで興味を持った方は、以降を読まないでください。そして、私と同じ気分を味わってください。
短評:人質
人質 (講談社文庫) チャック ホーガン Chuck Hogan 講談社 1997-11 売り上げランキング : 1082689 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容紹介/Amazonより
反逆の森に轟く銃声。息づまる人質救出作戦!モンタナ州の辺境で山小屋に立てこもる逃亡犯。一進一退の攻防。遂に惨劇の嵐が巻き起こる!モンタナ州の辺境の森に銃声が轟いた。連邦逃亡犯が子供を含む人質を盾に山頂の山小屋に籠城。地元警官、FBI、連邦執行局の特別チームが相次いで集結、一進一退の攻防が続く。交渉、駆け引き、脅し、あらゆる手段で人質奪還をはかるバニッシュ司令官の苦悩は深まる。息詰まる人質救出作戦を描くパニック大作!
- 上記紹介は小説の内容に沿ってはいるのだが、正確ではない。逃亡犯が自分の子供を含む家族で山小屋に篭城し、それが結果的に人質を取られたも同然の状況になり、強行突入ができない。というのが実際のオープニング概要だ。子供たちは、FBIにとっては人質であると同時に、自ら銃火器を扱う攻撃者でもある。中々面白い設定だと思うのだが、上記及び本書裏表紙あらすじには、無力な人質であるかのような表現しかないのが残念。
チャック・ホーガン祭
「強盗こそわれらが宿命」に続き、チャック・ホーガンの邦訳全作品を読了しました。こんなことができたのも、ひとえにまだ邦訳が三作しかないからです♪
ということで、以下二作のレビュー。
卵をめぐる祖父の戦争
「心配するな、友よ。きみを死なせはしない」
まだ十七だった。愚かだった。だから彼を信じた。
卵をめぐる祖父の戦争 ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ1838)) デイヴィッド・ベニオフ 田口俊樹 早川書房 2010-08-06 売り上げランキング : 5059 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容紹介/Amazonより
「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。ときは一九四二年、十七歳の祖父はナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた。軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された彼は、饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索に従事することに。だが、この飢餓の最中、一体どこに卵なんて?――戦争の愚かさと、逆境に抗ってたくましく生きる若者たちの友情と冒険を描く、歴史エンターテインメントの傑作
以前、「99999(ナインズ)」で私をいたく感心させた*1デイヴィッド・ベニオフによる……ええっと、これは何?冒険小説?戦争小説?青春小説?ジャンルがなんであれ、これは間違いなく世界中の青少年必読必携の小説である。推奨年齢18歳以上。私は、ドキドキしたり、そわそわしたり、笑っちゃったり、ぞっとしたり、とても忙しく、楽しく、またしみじみと読んだ。細部にはうんことかファックとかオナニーとかが横溢しているが、登場人物の一人が「あんたたちはいつもちんぽとお尻の話ばっかりだね」と言いもするが、それでも若者たちから本書を遠ざけるべきではない。読むべし。★★★★★
*1:自分でこういう書き方を選択しておいてなんだが、何て偉そうな態度なんだろう!私は何?有名評論家か?私に褒められると、作家は嬉しくなってちびっちゃうくらいの大家なのか?ええい、そうじゃないけど、偉そうな態度が好きなんだ。それに、ナインズはほんとーに、ほんとーに良い短編集だった。まことに感心。これからもがんばりたまえ、デイヴィッド。